探偵業者に長男の交際相手の調査を依頼したところ、張り込み料などの名目で法外な料金を支払わされたとして、兵庫県内の60歳代の男性が大阪市内の業者に約790万円の損害賠償を求めた訴訟は、業者側が不適切な契約だったことを認め解決金330万円を支払うことなどを条件に大阪地裁で和解した。
探偵業者を巡っては、顧客の弱みにつけ込んだトラブルが多発。
6月には業者を取り締まる「探偵業務適正化法」の施行を控えており、探偵業者による被害救済に取り組む弁護士グループは「泣き寝入りせずに声を上げてほしい」と呼びかけている。
被告は、近畿を中心に複数の店舗を持つ探偵業者。
訴状によると、男性は2003年5月、長男の不倫を知り、説得したが別れなかったため、この業者に相手女性の所在調査を依頼。
最初に調査料80万円を請求され、その後も張り込み料や長男のカウンセリング料などと称して約4か月で計約730万円の追加料金を強いられた。
しかし、調査報告書を提出しないなど依頼を実行している様子がうかがえなかったことから苦情を訴えると、一方的に20万円を返金してきたという。
男性側は「ほとんど何もしていないのに『あんな悪い女は見たことがない』『何とかしないと息子の将来はない』と不安をあおり、不当に高額な出費をさせた」として05年7月に提訴。業者側は「十分な調査と情報提供をした」と主張したが、地裁の勧告を受け、今年3月に和解した。
探偵業者は、「早急な解決が必要と考えて和解に応じた。適正な業務に努める」としている。
■来月に新法施行被害申告促す■
国民生活センターによると、探偵業者を巡っては、「調査報告がない」「解約を申し出ると高額な違約金を請求された」などの苦情が相次いでいる。
相談件数は01年度まで1000件未満で推移したが、02年度1301件、05年度1666件と増加傾向にある。
探偵業は許認可制度がなく、実態が把握しにくかったが、6月施行の新法では業者に都道府県公安委員会への届け出義務を課し、守秘義務の明確化や罰則規定などが盛り込まれた。
大阪の弁護士らでつくる「興信所・探偵問題研究会」(大阪市)事務局長の中森俊久弁護士は「法外な料金を請求されてもプライバシーを考え泣き寝入りする人も多い。
新法施行と合わせて相談会を開催し、今後も被害の掘り起こしに努める」と意気込んでいる。